• 宮城県で宿泊税の案固まる 宿泊事業者からは反発の動きも

    2020年4月9日

    カテゴリー:法律・条例 タグ:,

    宮城県では現在、今後の観光振興施策の財源として「宿泊税」の導入が検討されている。来年度で復興・創生期間も終了し国からの復興予算もあてにできなくなる中、宿泊税を徴収して新たな財源とする動きだ。

     

    11月末に村井知事の諮問を受けた有識者の検討会議が案をまとめており、観光客をある程度補足できる宿泊への課税は法定外目的税としての導入が望ましいと判断されている。対象施設はホテルや旅館のほか、民泊なども含むすべての宿泊客から徴収する。提示された案の中には宿泊額に応じて税額を決める方式のほか、他の自治体の事例を参考に1泊あたり100円~500円の範囲で定額とする方式などがある。

     

    宮城県で宿泊税が導入されれば、税額100円では年間8億円、500円では43億円の税収となる。同様の宿泊税はすでに東京都、大阪府、京都市、金沢市などが導入している。同県では2011年の震災後から国内外の観光客が大きく減少していたため、国からの復興対策交付金や県の復興基金などの予算を活用した観光対策・キャンペーンが行われてきた。その効果もあり、観光客数は震災前の水準を上回るまでに回復している。

     

    その一方、沿岸部の復興はいまだ終わっていない。県の関連予算も24億円まで伸びたが、そのうち7割が震災関連に充てられているのが現状だ。さらに復興基金の残高もそこが見えてきているため、宿泊税という新たな財源の確保に乗り出した次第だ。

     

    県内の宿泊業者からは徴税目的が不明確なこと、観光関連事業への検証が不足していることなどを理由に、多くの反対の声も上がっている。さらに今後、県と市がそれぞれ徴税を行うような形になることも懸念材料となっているようだ。

     

    仙台市議会は、12月20日まで開催中の定例議会で宿泊税導入の決議を行う見通しだ。

     

    参照:https://digital.asahi.com/articles/ASMDB52PDMDBUNHB00G.html?_requesturl=articles%2FASMDB52PDMDBUNHB00G.html&pn=4