国土交通省が今月19日に発表した2019年の基準地価によると、地方圏の中でも商業地の地価が28年ぶりに上昇したことが分かった。基準地価とは国土利用計画法に基づいて各都道府県で調査される、土地1平方メートルあたりの価格のことだ。そして今回はインバウンド需要の増加や低金利の影響を受けた結果、三大都市圏に比べて回復が遅れていた地方部の商業地でも地価の上昇が見られる結果となった。
地方部の商業地の地価上昇の主な要因は、訪日客の増加やそれに伴う土地の再開発などが考えられる。中でも札幌や仙台、広島や福岡の地方4都市では商業地の上昇率が10.3%に達しており、三大都市圏の5.2%を大きく上回った。
もっと細かく見てみると、北海道新幹線が開通する予定の札幌市、東京オリンピックでサーフィン会場となる千葉県一宮町などが大きな上昇値を見せている。逆に昨年の西日本豪雨で甚大な被害を受けた岡山県倉敷市や、人口減少という大きな問題を抱える秋田県は大きく基準地価が下落している。
地価は様々な地域で大幅に増加しているものの、地方圏の住宅地や一部の商業地ではマイナスになっているところも珍しくない。下落している地域で地価を回復させるためにも、各地で活性化の原因となっているインバウンド需要にさらなる注目が集まっている。