• インバウンド市場の「2020年問題」とは? オリンピック後の観光市場のゆくえ

    2020年4月4日

    カテゴリー:民泊市場 タグ:, ,

    日本では2018年にインバウンド数が延べ3000万人を突破し、2020年に迫るオリンピックに向けて活気づいているように思える。しかし2019年にはインバウンド市場の成長が著しく鈍化していることもまた事実であり、「2020年問題」と呼ばれ市場そのものの縮小が危惧されている。

     

    観光庁から公開されている訪日外客数のデータを見てみると、2019年の伸び率は4.0%とここ数年で最も低い。2012年には34.4%だった伸び率がだんだん落ち、直前の2018年にも8.7%という数字を出していることから、市場そのものの縮小は予想されてはいた。

     

    インバウンド数の伸び悩みにはいくつか原因が考えられる。主に「自然災害の頻発」「インバウンド主要国の経済環境悪化」「インバウンド主要国の旅行先の多様化」の3つだ。

     

    日本では2018年以降大阪北部地震や西日本豪雨、令和になってからも台風15号による被害など自然災害の影響が絶えない。また日本を訪れる旅行客には韓国・台湾・香港などアジア諸国からの割合が高いが、2019年ではこの3か国からの訪日客数が特に伸び悩んだ。平均4.0%と言われる伸び率に対し台湾は1.3%、香港は0%。韓国は日韓関係の悪化もあり、13%近く減少している。

     

    加えて、主要国では旅行先の選択肢が大きく増え、日本を訪れる客数が相対的に減っていることも原因だ。日本での円安メリットがなくなったことや、他国カントのインフラ整備が進んでいる影響も大いに考えられる。

     

    今後どのような動きを見せるかわからないインバウンド市場には、今後も注意が必要だろう。

     

    参照:https://inboundnow.jp/media/knowhow/21125/

    https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/since2003_visitor_arrivals.pdf

    https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/jp190708.pdf