日本の和の心を残す町・京都。外国からの観光客のイメージに合っているという意味では、日本の顔ともいえるだろう。そんな京都市が今、大きな問題に揺れている。
かつては隠れた名所としてひそかな人気を集めていた、千本鳥居のある伏見稲荷神社。清水寺や金閣寺のような定番スポットからは少し外れた、ある種の「知る人ぞ知る」名所だった。
しかし現在、状況は一変した。心細さを醸し出していた赤い鳥居のトンネルは、今や外国人観光客であふれかえっている。それもそのはず、口コミサイト「トリップアドバイザー」で外国人に人気の観光スポット第一位に選ばれたのが、この伏見稲荷神社なのだ。
「インスタ映え」するスポットとして人気を集め、名実ともに超定番スポットとなった伏見稲荷神社。その影響は大きく、最寄り駅の稲荷駅前は毎日のように外国人観光客であふれかえっており、飲食店や土産物店がこれでもかと乱立するようになった。それに伴って不動産価格も大きく上昇し、商業地での基準地価の上昇率は30%近くにもなる。もはやかつてのバブル景気をもじって「お宿バブル」といわれる状況を生み出すこととなった。
このバブルの主役となったのが、いわゆる民泊だ。京都市内で増える空き家などを利用するまではいいのだが、周辺住民は大きな環境の変化に悩まされている。夜中まで響くキャリーケースの音や話し声、インターホンの押し間違え、ゴミやたばこのポイ捨て、さらにトラブル対応が行き届いていないなど、問題は絶えない。あげく、民泊そのものが非合法というケースまである始末だ。
一般の住居を利用する新しいスタイルの宿、民泊。それが京都にもたらしたのは、「お宿バブル」ならぬ「お宿カオス」だったともいえるだろう。
参照:https://www.google.co.jp/amp/s/news.livedoor.com/lite/article_detail_amp/17492445/